幌加温泉 鹿の谷 湯治客が集う名湯

●昔、山を登っていた私としては、東大雪を縦走して降りてきたところとしての印象が未だにあり、色々と思い出深い温泉でもあるのが、この幌加温泉「鹿の谷」です。2軒あった湯宿のもう一軒(ホロカ温泉)は既に廃業し、幌加温泉でたった一つ残る湯宿となってしまいました。

●湯治場風情が漂う浴室は、洗い場なく泉質の異なる湯船が3つ並んでいます。泉質は手前から、ナトリウム泉、鉄鉱泉、カルシウム泉と表記されています。手前のトリウム泉は、はっきりとした噴気臭が香り、わずかな塩味があります。真ん中の鉄鉱泉はほとんど無臭で僅かサビ味があります。口に含むと何かニュルンとした味わいに感じました。奥のカルシウム泉は焦げ臭と微カルシウム臭があります。

●奥の扉を開けて10mほど歩いた先に露天風呂があります。温度はかなり温めですから、降りしきる雪の中での長い雪見風呂となってしまいました。浴感からすると、カルシウム泉の源泉ではないかと思います。また、内湯の奥の打たせ湯は鉄鉱泉と同じ源泉に思いました。

●仲良く入浴するご夫婦とみられるカップルも多く、何か微笑ましく感じます。あくせくした都会の時間を忘れて、こんな温泉で時を止めてしまいたいと真剣に願ってしまう、そんな長閑な山奥の湯治場です。

(2006.05.08記)
(2015.04.19修正)


急坂の行き止まりの先に上に、ドンと建っている小さな温泉宿です。入浴後の帰りにはエゾシカが見送ってくれました。


混浴の温泉は湯船があるだけで、手前からナトリウム泉、鉄鉱泉、カルシウム泉と表記されていて微妙に味が異なります。


内湯から外に出ると山に囲まれた混浴露天風呂があります。かなり温めのお湯で長湯での雪見風呂と相成ります。

エリア情報に戻る