●こうした山奥に2軒の温泉宿があるのは、北海道では珍しいと思いますが、幌加温泉の2軒の湯宿はどちらも魅力的です。カタカナで書くホロカ温泉はもう一軒の温泉宿「鹿の谷」の左手前にあります。ちょっと昔の学校のような建物がなんともいえない味を出しています。
●ホロカ温泉の特徴はなんと言っても、男湯の床一面に広がる温泉堆積物です。カルシウム分が多いのでしょう、浴槽から溢れたお湯が長年かけて、小さな棚田模様を描き、鍾乳洞のようです。元の床の原型さえ留めていません。
●男湯には大きめの浴槽の「硫黄泉」と、壁際の隅に「食塩泉」と表示された浴槽があります。さらに打たせ湯もあり、ここから溢れるお湯がとりわけ綺麗な湯華模様を描いています。また、女湯には「食塩泉」のみです。
●「硫黄泉」は微弱な硫黄臭がし、ごく薄い青色を呈しています。弱いキシキシ感もありますね。表示はありませんが、打たせ湯はこの「硫黄泉」ではないかと思います。「食塩泉」は無色透明で文字通り、わずかに塩味を感じます。
●「鹿の谷」よりさらに訪れる人は少なく、静かな湯浴みを楽しめるのが、なんとも言えずお気に入りの一湯です。
※残念ながら閉館となりました。
(2007.12.08記)
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ちょっと大正レトロな建物が、幌加温泉の2軒のうちの一軒、ホロカ温泉です。

浴槽だけのシンプルな湯ですが、温泉成分が描く床の堆積物のアートが、とにかく見事です。

女湯は四角い「食塩泉」だけがあるシンプルな浴室です。
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