盃温泉 温泉民宿いわた 小さな民宿だけど湯質は確か

●盃温泉では1軒だけ威風を放つ「国民宿舎もいわ荘」(休館し取り壊されました)に人が集まり、その近くにある2軒の湯宿があまりにも委縮しているかのように見えます。そのうちのひとつ「温泉民宿いわた」のお湯を楽しみました。人気が少なく静かですが、ご主人は建物の奥にいるので、根気良く声をかける必要があります。

●食堂を通り抜け建物の奥に進むと、男女別のこじんまりとした浴槽があります。タイル張りの2m四方程度の内湯があり、壁際にカランが並んでいます。浴槽の片隅から源泉が注がれ、縁のタイルの隙間からお湯が溢れています。無色透明のお湯は、少しの鉱物臭が香り、わずかにカルシウム臭を感じます。こうしたお湯の素性は、循環ろ過&塩素殺菌の温泉では決して味わえないですね。

●内湯の扉の向こうにも浴槽があります。てっきり露天風呂かと思いきや、三方には壁があり、天井はガラスかアクリル板でふさがれています。どうりで熱気がこもるわけです。建物の中の浴槽からこの露天風呂風内湯にお湯が注がれているので、温度は温めです。床のコンクリートには貝殻を裏側にして埋め込まれているのが、ちょっとユニークです。奥のガラス窓は水槽のようですので、以前は魚が泳いでいたのかもしれません。

●ややスベスベ感があり、肌にしっとりした「温泉民宿いわた」の一湯は、贅沢なひと時となりました。

(2011.11.14記)
(2016.11.23追記)

盃温泉にある4軒の温泉宿の一つです。とても静かですが、日帰り入浴可です。


薄いピンク色のタイル張りの浴室では、無色透明のお湯が静かに溢れています。


露天風呂風内湯とでも表現すべきでしょうか。なんとも言えない浴室です。