新登別温泉 新登別温泉荘 関西の老夫婦が守る至福の温泉

●今ではすっかり寂れた風情となった別荘地である新登別温泉の一角に残る温泉宿です。関西在住のご夫婦が毎年夏になると車でやってきて、7月初めから8月下旬までのわずか2か月間の間だけ営業する、季節限定の温泉です。

●この温泉の名物である露天風呂に加えて、大小の内湯があり、基本的にどれも貸切利用となっています。私が入浴した時には、やはり先客が露天風呂を利用していて、小さな内湯で露天風呂が空くのを待たせていただきました。やがて、女将さんから「どうぞ〜!」と声をかけられ、露天風呂に入りなおしました。まるで内湯は待合室ですね。

●露天風呂にはひょうたん型の大きな浴槽と、小さな四角いコンクリート製の浴槽、その隣には白いFRPの浴槽があります。浴槽の傍らには紫陽花が咲き、緑の中の気持ちの良い露天風呂です。青白く濁ったお湯からは、硫化水素臭と焦げ臭が立ち昇り、火山性らしい泉質が十分に伝わります。また、見た目ほど酸性は強くなく、最初はキシキシ感が勝りますが、後に肌がすべすべしてくる浴感です。

●次の入浴客も待っているようで、長湯が憚られ、私としては早めにお湯から上がることにしました。ご主人が玄関先まで、丁寧に見送ってくれて、夏季限定とはいえ末永く残り続けて欲しいと思いました。

(2012.08.08記)

※残念ながら2015年8月に閉館されました。


傍らに紫陽花の花が咲く、広めの露天風呂は本当に落ち着きます。


小さな露天風呂の隣にある味気ない樹脂製の浴槽も愛嬌に感じられます。


露天風呂が空くまで、こちらの待合室(笑)で、ゆったりと時間を過ごしました。

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