●白骨温泉での入浴剤使用事件につい考えてみました●

既に、各方面で報道されているように、
白骨温泉の露天風呂および幾つかの温泉旅館で、
入浴剤を使用していた、という事件がありました。

このときに、自らも白骨温泉で旅館経営をしているという
安曇村村長(辞職)の会見を聞いたとき、耳を疑いました。

サービスの一環のつもりだった・・・

さらに、これに加えて
浴客から『乳白色でないのはおかしい』というクレームもあり」
という話を聞いて、

問題は単なる「入浴剤混入」という行為だけでなく、
今の日本の温泉が抱える根深い二つの問題を感じました。
一つは「湯守」側の問題で、もう一つは「湯客」側の問題ではないかと。

「湯守」が単なる営利目的の旅館業になってしまい、
その基盤となる温泉を理解していなければ、
自信も誇りも持っていない

新しい泉源から、違った湯質の温泉が湧けば、
多彩な泉質を誇ればいいし、正しく広報すればいい。
(温泉好きには理解され、受け入れられるはず)
仮に、本当に浴客へのサービスと思うなら、
「白骨温泉らしい乳白色のお湯を維持するため、
当浴槽では入浴剤を使用しています。」

と、案内すればいい。
(客が乳白色を求めていれば理解されるでしょう(笑))

温泉を利用する「湯客」も、
写真やガイドブックに書かれた情報だけでなく
多種多様な温泉を肌で、体で理解する努力が必要だと思うのです。
平気で水着を着用し、「湯華」をゴミだと思い、
「絞り調節の掛け流し」を湯が少ないから温泉ではないと言い放つ、

これではいけないと思うのです。

日本の本当によいと思う温泉文化(≒入浴文化)が
なにか蝕まれつつあるように感じられてなりません。

(でも、「たかが温泉」という意見が多いなら、私は去らざるをえません)

名湯との誉れ高い(かった)白骨温泉だからこそ、この騒ぎです。
お湯そのものは悪くないはずです。正しい再興を祈ります。
心当たりのある温泉は、そっとでいいので改めていただきたいです。
(氷山の一角に思えてならないのです)


※ちょっと、ここで・・・問題提起
入浴剤」を「循環ろ過&塩素殺菌」に置き換えたらどう思われますか?
それでも問題だと思えますか?それでも怒りを覚えますか?
違うというなら、どこがいったいどのように違うのでしょう?


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