●古(いにしえ)からの浴室か?野趣あふれる露天風呂か?●

ある時期、私はカムイワッカの湯の滝に感動し、
毎年のように、遠い道のりを苦にせず訪れたり、
ヌプントムラウシ温泉や、泊川の源泉に想いをはせたりしていました。
また、各地の温泉では定番として露天風呂が設けられてきました。

でも、今になって、心落ち着いてゆったりと時を過ごせるのは、
湯治場の名残りがあり、地元の人々が集う浴室
すなわち内湯なのです。

なぜでしょうか?

私の心を潤し、暖めてくれるのは、温泉の質や景観だけではなく、
そこに行き交う人々の心ではないかと感じるからです。
いにしえより湯治場として栄えた浴室では、
長い年月で刻み込まれた湯守と湯治客の心が浸み込んでいて

なんともいえぬ安らぎを与えてくれることに気づきました。

ですから、最近の私は、露天より内湯の方が、入浴時間が長いのです。

静かな湯の音に、ちょっと耳を澄ませてみてください。


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